腫瘍疾患について
Q.腫瘍疾患とは?
近年の動物の飼育状態の改善や寿命の影響に伴い、腫瘍を診断される動物は年々増えています。
正確な統計ではありませんが、犬・ネコの10頭に1頭がその生涯で腫瘍を発生させると言われています。
当院でも腫瘍と診断される動物は年々増え続けています。
腫瘍は早期の発見と早期の治療がとにかく大切です。
飼主様の日頃のケアと獣医師との連携いかんによってその動物の予後が大きく変わると言っても過言ではないでしょう。
ここでは、動物の腫瘍において最も有効とされる外科療法を、実際によく見られる腫瘍に交えてご紹介します。
■ 乳腺腫瘍
乳房に発生する腫瘍です。
犬でも猫でも発生します。
良性のものと悪性のものがあります。
犬の乳腺腫瘍の発生には卵巣から分泌されるホルモンが関連しています。
ある報告によると1回目の発情の前に避妊(子宮卵巣切除術)を行った場合、1回目から2回目の間に行った場合、2回目以降の発情後に行った場合の乳腺腫瘍の発生リスクはそれぞれ未避妊のそれに比較して0.05%、8%、26%になります。
つまり、早くに避妊手術を行うことによりある程度予防することができると言えます。
猫の乳腺腫瘍においても、1回目の発情後に避妊手術を行った場合に比べて、未避妊の場合の発生リスクは7倍であるとの報告もあります。
乳腺腫瘍は一部の例外を除いて外科的な切除が第一選択となります。
術後お転移のリスクを考え、片側、もしくは両側の乳腺切除術を積極的に行っております。
術後の生活の質を考えて初期のものに関しては局所の乳腺切除で対応することもあります。
いずれにしても腫瘍が小さいうちのほうが手術もしやすく、転移の可能性も少ないので、女の子の場合は特に乳房にしこりがないかどうか普段から少し気にしてあげることが大切です。

■ 皮膚腫瘍
皮膚にできる腫瘍は最も発見しやすいもののひとつです。
しかし、人で言うにきび程度のものから悪性腫瘍まで多くの種類の腫瘍ができる可能性があります。
また、ほかの部位にできた腫瘍が皮膚に転移することもあります。
その場合は皮膚の腫瘤だけを切除してもあまり意味がないこともあるので全身状態をくまなく検査して腫瘍の正体を評価する必要があります。
外科手術を行う際には腫瘍をすべて取りきるために1~2cm程度余分に周囲の組織を切除します。
こうすることにより同じ場所での腫瘍の再発をある程度予防することができます。
肥満細胞腫などの一部の腫瘍では2cmではすべてとりきなれないこともあるので3cm程度まで大きく切除することもあります。
外科的に切除しなくても内科的に治療することができる良性の腫瘤ができることも非常に多いので、正確に腫瘤を評価するため、腫瘤の発生時期、大きさ、色、それらの変化などを把握しておくことが好ましいとい言えます。


















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